【神は銃弾】ボストン・テラン ★★

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 なぜかボストン・テランの作品を相次いで3冊買った。1冊目は【音もなく少女は】。そして本作【神は銃弾】が2冊目だ。amazonでひとつ買うと「おすすめ品」という事で同じ作者のものがリコマンド表示されて、題名や説明が結構引きつけるので何も考えず買ってしまったのだとおもう。

 1冊目に読んだ【音もなく少女は】の方が、この作者のどうも4冊目で、本作【神は銃弾】が第1作目つまりデビュー作のようだ。いずれも文学的・詩的臭いの強い作品で、前にも書いたが個人的には肌が合わなかった。けっしてつまらないわけではなく、全編に漂う緊張感はこの作者特有のものだし、お話のレベルが”たががはずれてくる”のも同じである意味すごい。


 カリフォルニアの警察官ボブは、別れた妻とその新しい夫、そして自分の娘ギャビが暮らす家が見える高速道路を走るときにする習慣がある。それは、パトカーのスピードを落とし回転灯を点ける事だ。それに呼応してギャビは自分の部屋の電灯を点滅させる。それが二人の秘密のおやすみの合図だった。

 そしてある日その娘からの合図がなかった。その日、何者かが別れた妻の家を強襲し別れた妻と夫を惨殺し、娘ギャビを連れ去ったのだ。警察によるギャビの捜索活動は全然進まず日にちが過ぎるばかりだ。

 娘の行方を捜すボブは、サイラスという凶暴で残酷な男が率いるオカルト集団<左手の小径>を離脱し、フラッシュバックに苦しみながらも更正した元ジャンキーのケイスのところにおもむく。そして話を聴いたケイスは、この残酷極まる事件の犯人はサイラスであると確信する。こうしてボブは藁をもすがる思いで、ケイスと共に、サイラスのいるメキシコを目指して旅を開始する。

 まずは、サイラスの居所を知っていそうなジャンキーのタトゥ師フェリーマンを訪ね、ふらりと寄ったふりで情報を聞き出す為に、ボブはケイスに言われるまま、フェリーマンに首筋にタトゥを入れられ目の下にまで3本線の刺青を施されてしまう。娘ギャビにつながる情報を手に入れるためにはボブは全てをなげうつのだった。

 こうして元カルト集団員で元ジャンキーの女と現役の警察官というコンビは、凶暴で残虐な行為をものともしないサイラスを求めて行脚するのだった。その先には麻薬密売人がいるし、ナイフ、銃撃というありとあらゆる危険があるのだ・・・


 と、まあ、先ほど書いたように全編に流れる暴力と残虐、麻薬と陵辱の気配が緊張を強いながら、狂気の権化サイラスを倒す為に自ら狂気を帯びる二人の追跡者のアドレナリンが爆発するのだ。

 前に読んだ【音もなく少女は】でも言えたことだが、文学的と言うべきか、むしろ「詩的」な修飾語の数々が目につきすぎ、エンタメ小説としての趣を阻害しているのかな、と個人的には思う。





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