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zoom RSS 【月光】誉田哲也 ★★★

<<   作成日時 : 2018/10/12 14:32  

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 だいたいが残虐な殺人事件で幕を開ける刑事物を書く作家ということで定着している誉田哲也のいっぷう趣の異なるミステリーを読んだ。帯に『衝撃のR18ミステリー』などと書いてあるものだから、どれだけエロい話が出てくるのかと期待したが、まあその面では特筆するほどではなかった。

 やさしく美しい姉が交通事故で死んだ。赤羽の高校に通っていたのに、自宅とは反対方面の朝霞でバイクに跳ねられたのだ。しかも、跳ねた少年は姉の同級生だった。中学生だった妹は殺人を疑い、両親の反対を押し切り姉の通っていた高校に入学し真相を探ろうとする。
 姉妹でピアノを習っていたが、いつしか姉・涼子は自分でピアノは弾かなくなり妹・結花の応援だけをするようになった。妹は大会で優勝するほど腕を上げた。そんなやさしい妹思いの姉だった。実は父と母はお互い再婚で、涼子は母の、結花は父の連れ子だったのだ。その当時幼かった結花はその事実を知らず、涼子は妹結花をいつくしみ守る立場となったのだ。
 しかし、涼子は高校の放課後の音楽室で、ひとり静かにピアノを弾く。その弾く曲はベートーヴェンのピアノソナタ月光。そのあまりの美しさを目にしたのは、妻との仲はすでに冷え切り形ばかりの結婚生活をしている音楽教師の羽田だった。やがて羽田と涼子は教師と生徒の一線を越え、かつ不倫の関係となる。羽田と涼子は、音楽室の隣の音楽準備室で激しく愛し合うようになる。
 その二人のセックスを目撃するのが、同級生の悪・菅井清彦とそのバカ友で性欲の塊・香川瞬だった。二人に証拠写真を撮られ、脅されて涼子は二人の言うままに体を開くのだった。性欲旺盛な高校生二人に日毎陵辱される涼子は羽田を守るために羽田との縁を切る。いきなり音楽準備室での逢い引きに来なくなった涼子に羽田は戸惑うが、まさかの事になっているとはつゆ知らずだった。
 そうこうするうちに、清彦が盗んだバイクで涼子を引き殺してしまう、という事件が起こり、未成年の事故という事で、まともに捜査も行われず、清彦はわずか一ヶ月間の鑑別所暮らしで戻ったが、もちろん高校は退学になり、昔から好きで通ったバイク屋の店主に拾われいまではまじめに勤めている。
 一方瞬は、高3でモデルとして売り出しはじめ、二人の接点は一見なくなったようだが。瞬の姉がしつこく清彦につきまとうようになる。そこにはどういう秘密が・・・

 ベートーヴェンのピアノソナタ月光は私も大好きな曲で、昔はギター用に編曲した楽譜を買って練習したものだ。本書を読みつつ静謐なその調べを思い浮かべれば、作者もきっとこの曲を是非とも自分の作品のモチーフに使いたくて、本書を書いたのだろうと推察される。
 いままでの誉田作品とは明瞭に趣を異にする新境地と言ってよいだろう。ただ、自分が読んでないだけで、誉田哲也は他にもこのようなタイプのものを書いているのかも知れないが。
 いずれにしろ、あり得ないといういくつかの事をとりあえず置いて、まあまあ良かった。超高速で読了した。
  

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