【世界恐慌か国家破産か パニック編】浅井隆

 中国のバブルがはじけるのが先か、日本の財政破綻が先か? いずれにしろその先にあるのは私たちの世代がかつて経験したことの無い地獄のような世界だ。相当怖いホラー小説を越えるゾッとするような話だ。
 人は自分の嗜好・生活態度や意見・主義主張に合わない表示を無意識かつ選択的に排除し、沿う情報のみに好んで接する(認知的不協和の理論)。 これは以前のブログでも繰り返し書いてきた。(認知的不協和の理論に関しての解説はこちら) 巨人が勝ったときのスポーツ新聞の売れ行きを見ればよくわかる。報知はおろかスポニチ・日刊、はては中日・ディリーまで全部買いそろえる強者もいる。同じ情報を繰り返し読んでなにがうれしいのか?
 その伝で言えば、今回の本は、基本的に私の考えにたいへん似ており、だからこそ手に取り購入し読んだと、間違いなく言える。
 してみれば私は相当”破綻”が好きなのかな、と言える。しかし今の世界を見て悲観論を持たない人がいるだろうか。それとも世界というのは常に残酷なものなのだろうか。


 というような講釈はさておいて、

 とにかく怖い。しかも説得力がある。
 この本で著者が強い断定をもって語るのは第2次世界大戦後の冷戦時代を経て、ソ連の崩壊により”一定の成果”を示したように見える資本主義経済のパラダイムが、”近いうち”(ここ1~2年!)壊れ、混迷と紛争と戦争、飢餓と略奪の時代に突入することになる、という事だ。残酷な時代がやってくる、という。

 中国のシャドーバンクの危うさ、共産党一党支配の綱渡り、民族問題、行き詰まり”冒険主義”(世界を相手に紛争を仕掛ける、特に対日本!)に傾倒する、という流れはあたかも必然のようだ。まさにパンパンに膨らみ細い針の一穴で破裂する寸前だという。そして中国の破綻はその世界における規模の大きさと緊密に絡み合ったグローバル経済の故に世界に恐慌を引き起こす。

 巨額に積み上がった日本の政府債務残高、とどまるところを知らない社会保障費支出。国債金利が1%上昇すると政府の利払い負担は10兆円増えるという。マーケットのちょっとしたぶれにより、長期に亘り限りないゼロ金利で推移した金融市場で破壊的な金利上昇があり得る。そして為替レートは1ドル250円に!!!
 実際本日(14.3.26)の日経新聞には日銀の国債保有比率が各所有主体の中で最高比率を占める事により、国債市場の流動性が希薄となり、金利のぶれ幅が大きくなる可能性が強まったという記事が載っている。金利のぶれ幅と言っても現在ゼロ金利なのだから、あとは上がるしか無い。

 怖い事だ。とっても怖い。

 私自身も前から唱えているように、世界の歴史の中ではいつでも常にどこかで紛争や悲惨な事が起こっており、むしろ長期に亘り泰平の時代を過ごすことはどんな国・地域であろうとあり得なかったのだ。誰もが富かで平穏な生活をおくることのできる”ユートピア”は長続きしない。
 この本で書かれた事がここ1~2年という間に実際に起こるかどうかはわからないが、大地震が起こる起こると言われて、それが来るのが30年後かも知れないし、10年後、1年後、明日かも知れないという不確定性を持たざるを得ないのと同じように、いつとは言えるものでは無いが中国・日本の破綻は”早晩”やってくるのでは無いか!

 ”パラダイムチェンジ”と呼ぶ現象がいずれ出来するのだと思う。誠に残念な事だ。どこかでボタンの掛け違えをしてきたのかも知れない。こうなるとなるようになるしか無いのだろう。

 最後に、本書の”売り込み姿勢”はたいへんよろしくない。

 まず、少ないコンテンツで本の厚さを稼ぐ為に、活字のポイントが異常に大きい。極めて単純な論理を図表化ししかもまるまる1ページを使って表示している。
 果ては、著者の”有料”講演・メールマガジンのコマーシャルの羅列。

 本当に憂え危惧しているのであれば、政治家さんともつきあいがあるようなので、もっときちんとした方法で世に訴えるべきでは無いかと思う。

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